芸人としてだけではなく、俳優、絵画、そして映画監督・北野武としては“世界のキタノ”と呼ばれ、日本を代表する“唯一無二の天才”である北野武さん。そんな彼の原点であり、師匠である深見千三郎氏と過ごした日々を描いたNetflix映画「浅草キッド」はビートたけしさんを敬愛してやまない劇団ひとりさんが監督・脚本を務め、大泉洋と柳楽優弥さんを主演に贈る、笑いと涙に溢れる青春映画です。
すでに配信をスタートしている本作。
配信少し前に、大泉、柳楽さん、門脇麦さん、土屋伸之さん(ナイツ)、鈴木保奈美さん、劇団ひとり監督、出演はしていないものの浅草を代表してMCとして塙宣之さん(ナイツ)が一堂に介するイベントが開催されました。
イベントはナイツのオープニングライブからスタート。会場が笑いに包まれ温まったステージに豪華キャスト5名と、監督が登場しました!
最初の挨拶から、登場の段取りについてボヤく、大泉。そして本作が俳優デビューとなる土屋さんに対して相方の塙さんから「イカゲームのサンウの役でも出てるよね」と、MCでありナイツの相方でもある塙さんがボケると、監督が「それだったらうちだってイカゲーム主人公で出てますからね」と、大泉が同じくNetflixで配信されている韓国ドラマ「イカゲーム」の主人公に似ていると言われていることを取り上げ会場は早々に爆笑の渦に包まれました。
笑いを取りつつも監督が、「何年も温めていた企画で、まだまだ先かなと思っていたらもう配信という事で実感が沸かないんですが、それをこの(イベントが行われた)東洋館で報告出来るのは感慨深いです。本編の中でも勢揃いするのはほとんどなかったので、このメンバーで並ぶのも嬉しい」と配信を直前に迎える喜びを語りました。
続いて、演芸場でのイベントにちなみ、お題に沿ったトークが展開されることに。
まず最初に、深見とタケシの師弟愛が描かれている作品ということで「絆」について聞かれた大泉が、「監督は大変人見知りで、なかなか友達も多くいる訳でもない方で…」と話し始めると、早速「友達居ないわけではない」と監督のツッコミが。しかし大泉は構わず「(現場では)僕が居るときだけは楽しそうで、僕のクランクアップのときには、“大泉さんがいないと寂しいです”って仰って。監督との絆を感じていましたが、いろんなキャンペーンをしていく中で監督が、“深見師匠は全部逆を言う人。喜んでたら怒るし、悲しんでたら笑う所がかっこいいんです”と言って、深見さんに憧れすぎて(監督も同じことを)やるんですよ。それがもう最近分からな過ぎて、変な人なんですよ(笑)」と、監督との絆を披露したかと思いきや、まさかのエピソードを披露。
芸人として活躍する土屋さんへのお題は「芸ごと」について。「僕らが接してきた師匠の世代の人たちの芸の話と通じている。大泉さんの演技を見て、(内海)桂子師匠を思い出しました」と話しました。
すかさず相方の塙さんが「師匠、聞いてますか~?」と地面に向かって呼びかけると、「おい上だよ上!下に向かって言っちゃ駄目だ。地獄に落ちたみたいじゃねぇか。なんで地獄に向かって話してるんだ!」と突っ込み、大爆笑を誘う場面もありました。
最後の挨拶で、大泉は「この人(監督)を褒めるのは本当に悔しくて仕方ないんですけど、劇団ひとりの才能が溢れ倒してる作品だと思います。今日ステージに立ってる我々役者陣は本当に胸を張ってこんな素晴らしい作品は無いと思える作品だと思います。劇団ひとりは駄目な男ですけど…この作品は素晴らしいと思います!! 劇団ひとりを嫌っても、浅草キッドは嫌わないでください!!」と、笑いを交えながら大絶賛。再び会場から大きな拍手が沸きましたが、照れた監督が「本当に今、大泉さんが仰ったように僕は本当に…凄い男なんですよね…」と話し始め、大泉から「だからやめろって!それ(笑)!」と最後まで息の合った応酬が続いたものの、ラストは「中学生のときに読んでバイブルとして何十年も頭の中で想像していたのがやっと映像化しました。自分の頭の中で想像していたより素敵でキラキラした作品になったのは、本当に演者さんに恵まれたから。理想の『浅草キッド』が出来上がったと思います」と、出演者に感謝を述べ、笑いと拍手に包まれる中イベントは幕を閉じました。