2015年10月12日(月)21:00~
内容:ベラ・チャスラフスカ。
その美貌と艶やかな演技から“五輪の名花”“東京の恋人”と呼ばれたチェコの元体操選手。
かつて世界を魅了した彼女が、73歳になった今、改めて自伝の執筆を始めた。
22歳で挑んだ東京五輪で個人総合優勝を含む3つの金メダル、4年後のメキシコ五輪でも4つの金メダルに輝くなど、その栄光は世界中で幾度となく伝えられてきた。
しかし、これまで決して語ることが許されなかった“時代の記憶”があるというのだ。
1968年のメキシコ五輪の直前に起こった“プラハの春”。
チャスラフスカは民主化を支持する“二千語宣言”に署名し、ワルシャワ条約機構軍が侵入し民主化運動の弾圧を始めてからも署名の撤回を拒否し続けた。
このことが原因で彼女は20年に及ぶ迫害を受けることになる。
実は1970年代に入ってから、チャスラフスカは自伝を出版している。
ただそこには、オリンピックに参加するまでの努力や、大会での活躍が記されているだけで、チェコスロバキアが直面した激動の時代や、それ以降の弾圧については一切記されていない。
共産主義政権による厳しい検閲の下、“半分の人生”の削除を余儀なくされたからだ。
チャスラフスカが復権を果たしたのは1989年に民主化が実現されてからのこと。
この間の記憶こそ、彼女のもう一つの肖像なのだ。
今、癌と闘いながら改めて自身の人生と向き合い始めたチャスラフスカ。
“失われた半分の人生”を取り戻すための“自伝”にはどんな言葉が記されるのか。
およそ40年の沈黙を経て、かつての五輪の名花が今の時代に送るメッセージを見つめる。
NHK BS1「BS1スペシャル "五輪の名花" もう一つの肖像 ~チャスラフスカ 失われた『自伝』を求めて~」
