アミューズ人/アミューズプロダクトワークス「グッズ制作のすべてをワンストップで支える」

アミューズの財産である「人」や「モノ・コト」などにフォーカスするTOPICSオリジナル企画。当社は2024年10月に組織改編・会社分割を行い、中核事業であるアーティストマネージメント部門においてカンパニー制を導入し、近年注力してきた事業においては、会社分割を通じて、新設する完全子会社5社と既存の完全子会社のKultureに移管しました。大幅な組織改編から1年が経過した今、分社化した各社へのリレーインタビューを実施。

今回登場するのは、アミューズのグッズ製作事業を完全子会社の株式会社希船工房に承継し、商号変更を経て誕生したアミューズプロダクトワークスのプロダクト事業本部MD事業部部長・板倉史枝。アミューズにてグッズ制作チームの立ち上げからキャリアをスタートさせ、二度の産育休、カスタマーサポート、テーマパーク事業などさまざまな経験を重ねてきました。現在、再びアーティストグッズの企画・制作に携わる板倉に、分社化後の変化や今後の展開について聞きました。

グッズチーム立ち上げからスタートしたキャリア

前職ではアニメ制作会社でライセンス業務を担当しており、その頃から「自分でもモノづくりをしてみたい」と考えていたという板倉。当時の同僚がアミューズの人事担当と知り合いだったことをきっかけに、「グッズ制作の専門部署を立ち上げる」という話を聞き、転職を決意し、2003年、立ち上げメンバーとしてアミューズに入社しました。

板倉「チームといっても、メンバーは私と上司の二人だけ。すべてのアーティストのグッズを二人で作るのは難しいので、もともとグッズ部分を担っていたファンクラブの担当者と手分けをしながら制作していました」

入社後すぐに携わったのが、サザンオールスターズとアミューズの25周年を記念して東京のお台場で開催したイベント「サザンファンの勝手に25周年 真夏の秘宝館」でした。

板倉「ファンのみなさまが持っている大切なサザングッズをお預かりして展示したり、サザンの歴史が分かる展示があったりする大規模なイベントでした。会場の物販スペースがとても広くて、"まず100アイテム考えよう"と言われたんです。オーソドックスなアイテムでは100アイテムに達成しなかったので、家の中を見回しながら、まな板やお玉なども入れたりして(笑)。悩みながらも、これがグッズになるのかなと思うと、ワクワクしました」

試行錯誤を重ねながら、ユニークな商品も生まれました。

板倉「サザンの楽曲をもじったグッズを作ろうということになり、『じゃこ(チャコ)の海岸物語』でしらすを鎌倉まで仕入れに行ったり、『希望のすだち(轍)』で瓶入りすだち果汁売ったり(笑)。最後は役員会議でもダジャレを考えながら商品アイディアを提案してくださり、なんて楽しい会社なんだろうと思いました」

入社してすぐの怒涛の制作進行を経て、沢山のアーティスト、そして様々なグッズの制作を経験してきました。その後、出産を経てCX事業部へ異動し、カスタマーサポートとファンクラブ管理を担当。二度目の出産後には、当時東京タワーで展開していたテーマパーク「東京ワンピースタワー」に出向し、ふたたびグッズ制作の現場に戻ることに。

板倉「事業の継続にはお客様を呼び込むためのグッズ展開は欠かせないものだったので、本当に必死でした」

また、東京タワーという立地から、海外からの来場者も多かったといいます。

板倉「インバウンドのお客様も多かったので、外国の方に受ける商品を日々リサーチしていました。楽しい仕事でしたが、子どもが二人いたので大変な時期でもありました。子育て世代の社員が多かったこともあってか、時間の使い方や急なお休みなどにも理解がある環境で、社員の皆さんや家族にも協力してもらって乗り越えることができました」

企画から製造までをつなぐワンストップ体制

MD事業部で製作したポルノグラフィティ『20thライヴサーキット"水"』ツアーグッズ。"水"をテーマに展開し、立体的な「ポ」型のバスボムは遊び心あるアイテムとして好評。
香川県豊島で展開するカフェやブルワリーを併設した複合施設「Teshima Factory」のオリジナルグッズ
香川県豊島で展開するカフェやブルワリーを併設した複合施設「Teshima Factory」のオリジナルグッズ

コロナ禍での「東京ワンピースタワー」の閉園を機にアミューズへ戻り、グッズ制作を担うMD事業部のMD事業推進室に復帰した後に、制作室の室長に着任。その後、2024年の組織改編により、希船工房とMD事業部が統合してアミューズプロダクトワークスが誕生しました。

板倉「希船工房とMD事業部は"良いグッズを作る"という同じ目標を持っていたので、以前から統合するのが良いのでは...という話はあったんです。企画・制作・製造が一体になったことで、ワンストップでのグッズ制作が可能になりました」

統合によって感じているのは、部署間の距離の近さです。

板倉「希船工房には、生産を担当しているチームやデザイナーがいるので製造の最初の部分から携わることができるようになりました。企画制作をしている私たちMD事業部と販売チームが一緒に移ったことで、製造から販売までを一気通貫で考えられるのは大きいですね。アイデアを共有して『どうやったら実現できるか』をすぐ一緒に考えられるのは大きな変化です」

これまでは製造を依頼する立場でしたが、現在は「一緒に作る側」に。

板倉「工場とのやり取りや輸送、関税、為替など、これまで見えていなかったプロセスも理解できるようになり、コスト構造を含めて考えながら制作できるようになりました」

分社化後に印象に残っている仕事の一つが、某アーティストの写真展の開催です。写真集制作から展示企画、グッズ制作まで関わりました。

板倉「写真家の方と日々打ち合わせを重ねて、撮影場所や装丁などを一年ほどかけて一緒に写真集を作り上げました。その流れで写真展も開催することになり、展示方法や会場についても一緒に考えていきました」

写真展では写真をデザインしたクリアファイルやバッグも販売。いかに写真をキレイにプリントするか、試行錯誤しながらようやく販売にたどりつきました。また、展示作品の写真も販売しました。

板倉「10枚限定のエディション作品として販売したのですが、普段のグッズとは違うアート作品なので、どう伝えればお客様に価値を感じてもらえるのか、とても悩みました」

この経験は、クリエイティブの奥深さを改めて感じる機会になったといいます。

板倉「写真家の方は"どう見せれば作品が一番美しく見えるか"を常に考えている。その姿を間近で見て、もっとクリエイティブな視点を磨いていきたいと思いました。この経験を強みに新たな展開ができればと思っています」

今はさらに新しい強みを作る時期

組織改編からまだ1年半。今は新しい強みを作っていく段階だと板倉は言います。

板倉「ワンストップでの制作が可能になったとはいえ、まだまだ会社が立ち上がって1年半です。さらにコミュニケーションを深めて、多角的に事業を展開していきたいと思っていますし、社内だけでなく、グループ全体の連携も強めていきたいです」

MD事業部の重要な役割の一つが、アーティストの想いを社内に伝えること。

板倉「商品の企画内容をもとに製品化する生産担当は、アーティストがどんな想いで何を作りたいのかを直接聞く機会が少ないんです。そのイメージを伝えるのが企画担当のMDチームの大切な役割だと思っています。しっかりとアーティストの想いを汲んで伝えること、制作したいグッズのイメージを明確にすることをチームに周知していくことが、今すぐできることなのかなと」

今後は外部案件や海外展開にも取り組んでいきたいと話します。

板倉「アーティストのグッズは、アーティストの活動スケジュールに合わせて企画・制作することが基本となるので、今後はアミューズのアーティストの枠にとどまらず、外に向けて仕事の幅を広げていくことが必要だと思っています。また、海外公演の増加とともに、グッズの海外販売の相談も増えています。日本で作って持っていくのか、現地で作るのか。さまざまな可能性を探っていきたい。ただ、これはMD事業部単体ではなかなか実現がむずかしいので、会社全体で取り組んでいくテーマだと思っています」

仕事で大切にしているのは、常にトレンドやアイデアをインプットすること。忙しい日々の中でも、映画やテレビ、イベントなどをチェックするように心がけています。そして、アミューズプロダクトワークスで働く魅力は、グッズ制作のすべてに関われること。

板倉「さまざまな角度でグッズ制作に携わるチームが揃っている会社なので、生地選びから輸入、デザイン、販売まで、一連の流れをすべて見ながら関われることができます。そういう会社はなかなか貴重な存在なのではないかなと。各分野のプロが集まっている環境でグッズ制作ができることはとても魅力的です」

また、挑戦を後押しする文化もあります。

板倉「チャレンジさせてもらえる会社なので、そこが面白いところだと思います。もちろん、ビジネスにどうつなげていくかは必要ですが、やりたいことをきちんと説明すれば、新しいことにも挑戦できる環境です。それは、母体であるアミューズから受け継がれているところですね。MD担当としては、グッズ好きであるに越したことはないけれど、幅広い仕事や、大変なプロジェクトでも楽しめる人がこの仕事に向いていると思います」

そして、子育てをしながら働く女性のロールモデルとして、後輩を支えたいという想いもあります。

板倉「今、チームでも産育休に入っているメンバーがいます。復帰するときは悩むことも多いと思いますが、私も経験しているので男女問わず相談しやすい環境、そして自身も感じてきたからこそ、業務改善し、より長く働きやすい環境を作っていけたらと思っています。」

「どんなに忙しくても、お客様の手に届くものだという意識を忘れず、作業にならないよう一つひとつの仕事にこだわっていきたい」と話す板倉。最後に、その姿勢の先に見据える今後の展望について聞きました。

板倉「分社化し、アミューズという母体から離れて仕事をすることが、最初は不安でした。座組も変わり、よりコミュニケーションが必要となってジレンマを感じることもあります。ただ、アーティストへのリスペクトや愛情は、より強く意識したいですし、より良い提案もしたい。提案するグッズのセンスやクオリティをよくしていくことはもちろん、例えば、自社オンラインサイトの『アスマート』を運営するKultureと連携して、アミューズグループの内外に向けて新たなサービスを提供できるかもしれません。分社化し、専門部隊が増えたことに付加価値を感じてもらえたらと思っています」

ライブの思い出や、その場の空気までも"形"として持ち帰ることができるグッズ。

アミューズプロダクトワークスでは、企画・制作・製造が一体となったワンストップ体制を強みに、アーティストとファンの方々をつなぐ存在として、これからも新しい挑戦を重ねながら価値あるグッズづくりに取り組んでいきます。

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