アミューズコーポレートレター/世界2,000人の若者が集う国際会議で アミューズの4人が見つけた「エンターテインメントの可能性」

当社は「感動だけが、人の心を撃ち抜ける」という理念のもと、あらゆる人が心からエンターテインメントを楽しめる世界をつくるために、多彩な社会貢献活動を展開してきました。
その一環として、"ヤング・ダボス会議"とも呼ばれる、次世代リーダーの育成と国際交流を目的とした世界最大級の国際フォーラム「One Young World Summit(以下、OYW)」に2015年から関わり続けています。世界の190を超える国や地域から、18〜32歳の若者を中心に2,000名以上が参加し、様々な社会問題について議論を交わすOYW。アミューズグループとして、アーティストや社員を毎年派遣しています。

昨年11月にドイツ・ミュンヘンで開催された2025年大会には、所属アーティストのシンガーソングライター・由薫ほか、グループ会社を含めた社員3名を派遣しました。そこで今回、OYWから帰国して間もない4名で座談会を実施。現地での経験を振り返りながら、得た学びや今後の目標についてじっくりと語り合ってもらいました。

<参加者プロフィール>
■由薫
シンガーソングライター。沖縄県出身。2歳から8歳までをアメリカ、スイスで過ごし、多様な文化の中で培った感性が自身の音楽活動の原点となっている。15歳でアコースティックギターと出会い、17歳でオリジナル曲の制作を開始。映画主題歌のオーディションで特別賞を受賞したことで、音楽活動を本格化させる。2022年に「lullaby」でメジャーデビュー。2025年夏には弾き語りツアー『UTAU』を敢行。国内外で活動を展開している。

■丹野 将大
株式会社アミューズ 経営企画部会長室所属。幼少期を海外で約10年間過ごし、大学を卒業後、新卒で株式会社キーエンスに入社。その後、外資系SaaS企業で営業としてキャリアを積む。2025年にアミューズへ中途入社し、会長直下の現職に従事。

■林 詔伶
アミューズグループ内、株式会社ライブ・ビューイング・ジャパン 海外戦略室所属。台湾・南投県出身。国立台湾大学で日本研究に勤しみ、2016年に来日。日台間のさまざまな交流プロジェクトに携わる。東京で映像音楽の作曲・編曲を学んだ後、2025年4月より現職。日本のエンターテインメントコンテンツをはじめとする多様な作品を海外映画館でライブ・ビューイング展開する事業に従事している。

■惠美 響詩郎
2024年、アミューズグループ内の株式会社Kultureに新卒入社。ファンコミュニケーションサービス「KLEW」やライブイベント「StoriAA」「NO CAPTURE」などを担当している。

世界的なサミットで自分の可能性を広げたい。OYWへの参加理由

アミューズ派遣団としてOYW2025年大会に参加した4名。左から丹野(アミューズ)、惠美(Kulture)、シンガーソングライター・由薫、林(ライブ・ビューイング・ジャパン)

――皆さんがOYWへの参加を決めた理由を教えてください。

由薫:私が参加を決めたのは、スタッフさんからの推薦や、会長と話したことが大きいです。私は幼少期に海外で暮らし、大学でも英米文学を学んできたので、異文化理解や他者理解は私の人生やシンガーソングライターとしての活動の根底に流れています。世界を相手に自分の言葉で話せるアーティストに成長するために、何ができるのか。世界で起きているさまざまな問題や各国で生きる人々に対して、シンガーソングライターの自分にどんなアクションが起こせるのか。そうしたことを探していきたいと思い、OYWに参加しました。

丹野:私は幼少期の約10年間をオランダと中国で過ごし、大学1年次にはアメリカへ留学しました。異なる文化や価値観の中で生活した経験から、多様な背景を持つ人と関係を築きながらコミュニケーションすることは、私の強みの一つです。大学卒業後はその強みを活かして、常にグローバルな視点を持ちながら仕事に取り組んできました。昨年、大里会長とのご縁をきっかけに入社した後、OYWの社員派遣について知りました。世界各国からトップレベルに優秀な2,000人以上の若者が集まる場で、これまでの経験をさらに磨き、より実践的に挑戦してみたいと思い、手を挙げました。

林:私は台湾出身です。大学を卒業してからはずっと日本で暮らしていて、もうすぐ10年が経過します。 日本での生活に馴染み、仕事でもアジア圏とのコミュニケーションが多いことから、最近は自分がコンフォートゾーンにいる感覚が強くなってきました。OYWには、自分がこれまで十分に触れてこなかった国や地域も含め、世界中から多様なバックグラウンドを持つ参加者が集まります。人と向き合う仕事に携わる立場として、さまざまな背景を持つ方々と交流することで、自分の視点や価値観を改めて見つめ直し、アップデートしたいと考えたことが、参加したきっかけです。また、社会課題に対して声を上げ、行動していくことの意義を改めて感じたい、エンターテインメントを通じて人と人、国と国をつなぐ役割の一端を担いたいと考えたことも、OYWへの参加を決意した理由です。

惠美:僕は広島県出身で、子どもの頃から原爆や戦争の悲惨さを学び、「平和」について何度も思いを馳せてきました。現在は仕事でイベントの企画運営に携わっていますが、今後多くの人が平和を考えるきっかけになるような企画ができればと考えています。ただ、そのためには、世界で平和がどのように捉えられているかを知る必要があると感じました。僕が広島で学んできたことは果たして世界で通用するのか。それを学びたく、OYWへの参加を決めました。

世界の現状や平和、エンターテインメントについて考えた4日間

――現地で特に印象に残ったことをお聞かせください。

惠美:僕はOYW2日目の夜に訪れたライブハウスでの出来事が印象に残っています。実は僕、その日はとても落ち込んでいて。OYWの多くの参加者が世界の明日をより良いものにするために自分の思いや行動を言語化している姿を見て、圧倒されてしまったんです。そんな中、足を運んだライブハウスで、地元のサッカーチームの試合が中継で放映されていたんです。僕も観戦し、地元チームの勝利をその場に居合わせた人と肩を組みながら喜び合う経験をしました。その時ふと、「言語を介さずとも分かり合える空間こそ、平和の形だ」と気がついて。僕が普段やっている仕事も、世界を良くするための挑戦のひとつなのだと自信を持てました。

丹野:会期中、整理されていない世界の現状を肌でリアルに感じ、それを各国の人たちがそのまま受け止めている姿が最も印象的でした。例えば、2023年10月に始まったパレスチナ・ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織間の紛争も、各国の正義や主張がぶつかっている世界の混沌とした出来事のひとつ。OYWの会場では、その紛争に対する各国の立場を含めた"世界の今"の縮図が見られたんです。

――そのように感じる具体的な出来事があったのでしょうか?

丹野:開会式は象徴的でした。式では、パレスチナにルーツを持つヨルダンのラーニア王妃がスピーチに登壇し、王妃の発言中、会場にはパレスチナを支持する空気が強く漂っていました。けれど同じ場には、イスラエル出身の方やイスラエルにルーツを持つ方も参加していて、彼らにとっては居心地の悪い時間だったのではないかと思います。実際、OYWの期間中には、自分がイスラエル出身であることを周囲に明かさずに過ごしている方もいました。その様子を目の当たりにして、一方の正しさを語れば別の誰かを傷つけてしまいかねない状況で、「正義」や「中立」を明確かつ適切な言葉で表現することの難しさを痛感しました。だからこそ、立場や背景が異なる人同士が、相手の前提を確かめながら対話を続けられるOYWには大きな意味があるのだと感じました。

開会式でスピーチするヨルダン王室のラーニア王妃

――由薫さんが印象に残っている出来事はいかがでしょうか。

由薫:私は現地で、今でも連絡を取り合う友人ができました。特にドイツに住む中国出身の方とマレーシア出身の方とは、私が中学時代の留学経験をきっかけに興味を持っていたアジア圏内での異文化理解や、ヨーロッパでアジア人として生きることなどについて語り合うことができました。日本と中国、マレーシアで違うところや共通することについて、3人で真正面から話し合えたのは本当に良い経験でしたね。

由薫:加えて、2人は私がシンガーソングライターとしてOYWから日本に持ち帰るべきことについても、親身になって相談に乗ってくれました。K-POPが人気を博してから、世界でアジア人への理解が深まってきたこと。中国やマレーシアの音楽事情。2人は来日したことはないけれども、映画や本などのエンターテインメントを通じて日本への理解を深めてくれていたこと。いろいろなことを話せたおかげで、エンターテインメントの力を改めて感じることができました。そして、世界に出ていくためには、各国の文化や事情を分かろうとする姿勢がとても大切なのだと改めて胸に刻むことができました。

――林さんはいかがでしたか?

林:開会式で台湾の国旗を掲げる旗手を務めたことで、世界中に知り合いの輪ができたのがOYWのハイライトです。日本在住のウクライナの旗手、ジョージアの旗手と平和について話をしたり、開会式のリハーサルに向かう道中で一緒になった方を通じてトリニダード・トバゴについて知ったりと、世界の広さを改めて実感できました。私が仕事にしているライブ・ビューイングの認知度や映画の視聴方法など、各国のエンターテインメント事情を教えてもらえたのも興味深かったです。

行動を起こし、出会いを引き寄せる

――現地で注力したことや苦労したことについても伺いたいです。

由薫:そういえば丹野さんは、現地で本当にたくさんの方と会話していましたよね。

丹野:50人ほどと話をしたと思います。目標は500人だったのですが......。でも、現地で出会ったイタリア出身の方とは、日本で再会するほど仲良くなれたんですよ。

惠美:つい先日、その方が来日してこのアミューズ派遣団メンバーで一緒にご飯を食べたり、観光をしたりしました。

丹野:日本が好きで、お酒が好きな方だったので、一緒に日本酒も楽しみました(笑)。

由薫:林さんは、いろいろなセミナーに積極的に参加していた印象があります。

林:そうですね。興味を惹かれるテーマのセミナーがたくさんあって、どれに参加するかとても迷いました。

丹野:セミナーを通じて、偶然の出会いがあったとか。

林:そうなんです。参加していたセミナーが大幅に延長して、次に聴こうと思っていたアフリカ関連のセミナーが終わってしまっていたことがあって。講演の内容が知りたくて、会場に残っていたナイジェリア出身の女性に尋ねたところ、話の流れの中で、その方が翌日教育格差に関するセミナーで登壇すると知ったんです。そこで、当初は参加予定になかったのですが、その方がスピーチされるセミナーを受講することに。結果として、内容にとても感動し、偶然の出会いから知識や行動が広がるのもOYWの醍醐味なのだと感じました。

惠美:逆に僕は、現地で会話を深めることに苦労しました。日常会話はできますが、英語がそこまで得意ではないので、ビジネスの込み入った話になると、話す内容や理解の解像度が低くなってしまうのが悔しくて......。最終的には相手のファッションなどをもとに、その方が大切にしているであろうカルチャーや価値観を切り口として会話を広げようと努力しました。

由薫:私は自分がどういう形でOYWに関わっていくべきか、かなり悩みました。参加者の中にはミュージシャンが1人もいなかったので、会期の前半は試行錯誤の連続で。後半からは1人でも多くの方と話すのを目標に、勇気を振り絞っていろいろな方に話しかけたのですが、OYWではいつも以上に頭を使うシーンが多かったので、時折会場の外のベンチで休むこともありました。

惠美:同じくです!僕も全力を出して疲れてしまったときは、外でぼんやりとしていました(笑)。

エンターテインメントを生み出す者として、OYWで世界を知ることには大きな意味がある

――アミューズのアーティストや社員として、OYWに参加する意義はどのようなところにあると思いますか?

丹野:僕はエンターテインメントとは、世の中にあるさまざまな事柄を音楽などの芸術作品に昇華し、世の中に届けていくことだと思っています。だからこそ、その担い手には、世界で今実際に起きていることや社会課題、それらに対して人々が考えていること、感じていることなどを深く理解することが求められます。社員がOYWに参加し、世界が抱える課題を肌で感じ取り、最先端の議論の輪に入っていく。アミューズが今日まで10年にわたって続けてきたこの活動は、会社として世界の現状をしっかりと理解し、より良い社会の実現に繋がっていくようなエンターテインメント作品を生み出すためにも、重要なものだと感じます。

由薫:音楽が国境を越えて世界各国のリスナーに届くことが当たり前の時代だからこそ、私のようなアーティストがOYWに参加して世界を知ることには、大きな意味があると思いました。実は私の楽曲も、日本以外のいろいろな国で聴かれていて、最近は音楽やSNSでの発信にもっと責任感を持たないといけないと考えるようになっていたんです。そんな中でOYWを通じて、私にはまだまだ知らないことがたくさんあると感じました。世界のことを知って、勉強して、理解する。そうして初めて、グローバルに活躍する資格が得られるのだと改めて思ったので、これからも世界のいろいろな国や人、文化のことを知り、さまざまな角度から物事を考え、想像力を働かせながら、音楽をやっていきたいです。

――最後に、OYWで得たものを今後の仕事や活動にどのように活かしていきたいか、目標をお聞かせください。

丹野:由薫さんや惠美さんも話していましたが、僕もOYWのディナー後などに各国の参加者が音楽で熱狂している姿を見て、エンターテインメントのパワーを感じました。エンターテインメントには、あらゆる垣根を超えて、人を共感させる力がある。だからこそ、僕はこれからもさまざまなプロジェクトで、世界中の人たちに共感してもらえるようなエンターテインメントの創出に貢献していきたいです。

惠美:僕は引き続き自分の仕事に責任感と誇りを持ちながら、OYWで学んだことをクリエイティブに落とし込んでいきたいです。僕たちが手がけている仕事は、より良い世界をつくるための一歩に繋がると感じたので、その素晴らしさを、部署をはじめ社内に伝えていけたらとも思っています。

林:OYWでは、異文化理解の大切さを改めて実感したので、仕事においては今後もチームメンバーと協力しながら各国の文化やエンターテインメント事情への理解を深め、アミューズグループ関連や日本発の多彩なコンテンツを起点としつつ、さらには各国のさまざまなコンテンツをインバウンド・アウトバウンドの両面から世界に届けていきたいと考えています。また個人としては、台湾の多様な民族文化を守り、台湾発のコンテンツや台湾人としての考え方・視点を世界に発信することにも、今後取り組んでいきたいと思います。

由薫:今回のサミットを通じて、シンガーソングライター・由薫として、国境を越えて音楽をやっていきたい気持ちがますます強くなりました。これまでもアメリカのフェスに出演したり、スウェーデンで曲作りをしたりと、海外での活動にも挑戦してきたのですが、今後ももっと幅広い国や地域でライブがしたいですし、世界のいろいろなアーティストの方と音楽を奏でてみたいです。ただ、そうやって世界を舞台に活動するのなら、自分自身のルーツや価値観を大切にすることも重要だと感じました。私は沖縄出身ですが、幼少期に引っ越しが多かったこともあって、沖縄文化をそこまで深く知っているわけではありません。でも、私が「知らない」と言っている間にも、祖母が歌っていた沖縄の子守歌などの固有の文化がどんどん失われていく現状があります。ふるさとである沖縄の言葉や伝統音楽についても勉強をして、文化を守ることにも貢献していけたら。そして、それを最終的には何らかの形で音楽につなげて活動していきたいです。

 

参加者4人がOYWサミットで改めて感じた、国境や文化を超えて人々の心を動かすエンターテインメントの力。アミューズグループは、この経験を糧に、今後もグローバルな視点と多様な価値観への理解を深め、「感動だけが、人の心を撃ち抜ける」という理念のもと、より良い社会の実現に繋がる活動を世界に向けて展開してまいります。

*社員の所属部署などの情報は2026年1月時点のものになります。

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